昨年から、「U=U」というメッセージをみかけることが多くなりました。
まあ正直なところ、イケメンを使ったポスターを某所や某アプリで見かけたことがキッカケですがw
それは、「Undetectable = untransmittable」という言葉をビジュアル(というかキーワード?)化したもので、日本というよりは、海外で言われ始めている言葉のようですね。
日本語では「検出限界以下なら感染はしない」という言葉で、そのExplainer(説明書)が、UNAIDS(国連合同エイズ計画)の公式サイトで2018年7月20日に公開されています。
Undetectable = untransmittable is the message of a new UNAIDS Explainer. With 20 years of evidence demonstrating that HIV treatment is highly effective in reducing the transmission of HIV, the evidence is now clear that people living with HIV with an undetectable viral load cannot transmit HIV sexually.
Three large studies of sexual HIV transmission among thousands of couples, one partner of which was living with HIV and the other was not, were undertaken between 2007 and 2016. In those studies, there was not a single case of sexual transmission of HIV from a virally suppressed person living with HIV to their HIV-negative partner. The Explainer cautions, however, that a person can only know whether he or she is virally suppressed by taking a viral load test.
For many people living with HIV, the news that they can no longer transmit HIV sexually is life-changing. In addition to being able to choose to have sex without a condom, many people living with HIV who are virally suppressed feel liberated from the stigma associated with living with the virus. The awareness that they can no longer transmit HIV sexually can provide people living with HIV with a strong sense of being agents of prevention in their approach to new or existing relationships.
The new UNAIDS Explainer series aims to inform readers about key or emerging issues in the AIDS response. With recommendations for programme managers and advice for national responses, they are short but informative snapshots of the current knowledge about an area of the AIDS response.
引用元:FEATURE STORY「Undetectable = untransmittable」20 JULY 2018
英語が苦手な方のために、googleさんに翻訳してもらいましたw
「Undetectable = untransmittableは新しいUNAIDS Explainerのメッセージです。 HIV治療がHIVの伝染を減らすのに非常に効果的であることを実証する20年の証拠で、証拠は今ウイルスが検出できないほどHIVと共に生きる人々がHIVを性的に伝染させることができないことは明らかです。
2007年から2016年にかけて、1組のパートナーがHIVに感染し、他の1組はHIVに感染していなかった何千ものカップル間の性感染症に関する3件の大規模研究が行われた。ウイルスに感染したHIV感染者をHIVに感染したパートナーに抑制します。しかし、説明者は、人は自分自身がウィルス負荷テストを受けることによってウィルス抑制されているかどうかを知ることしかできないと警告している。
HIVと共に生きる多くの人々にとって、もはやHIVが性的に感染し得ないというニュースは人生を変えるものです。コンドームなしでセックスをすることを選択できることに加えて、ウイルスで抑圧されているHIVと共に生きる多くの人々は、ウイルスと共に生きることに伴う汚名から解放されたと感じます。彼らがもはやHIVを性的に感染させることができないという認識は、HIVと一緒に暮らす人々に、新しい関係または既存の関係への彼らのアプローチにおける予防の主体であるという強い意味を与えることができます。
新しいUNAIDS Explainerシリーズは、AIDS対応における重要な問題または新しい問題について読者に知らせることを目的としています。プログラム管理者への提言や国内での対応へのアドバイスなど、彼らはエイズ対策の分野に関する現在の知識の短いながらも有益なスナップショットです。」
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要するに、HIV感染者というと、何か恐ろしいというか、汚いモノでもみるようなイメージ(偏見や誤解)があって、もし身近にそんな人がいても、できるだけ近寄りたくないし、セックスするなんて、とんでもない!という社会的な風潮(差別)に対する「アピール」のような性格のものです。
ちょっと注意したいのは、だから「生でセックスしてもいい」という安易なコトではないし、そう勘違いされがちな点は気をつけないといけないのかもしれません。
ただ、世間の人が勘違いされているように、HIV治療薬の進歩によって、完治とは言えないまでも、ウイルスを押さえ込むことは可能になっているので、このような活動をしていこうという動きが出てきているんじゃないかと想像します。
特に、海外にはHIV感染者の数が、日本よりもずっと多いですからね。
海外では、日本とは違って、「感染したら早めに治療(服薬)」をスタートさせてウイルスを減らそうという動きがトレンドで、感染していない人が性行為前に薬を飲む「Pre-exposure prophylaxis(PrEP:暴露前予防法)」も可能になっているようです。
日本のように、「障害者のように弱ったら治療をスタート」というのんびり行政とは、ちょっと事情が異なります^^;
日本では、若い人がHIV感染してしまっても、一定の状況まで悪化していなければ、事実上治療がはじまらないので、HIV感染がわかっているのに、治療薬を飲んでいないため、体の中にはHIVウイルスがそのまま。。。ということが普通です。このことは本人にとっても、性欲があるのに、行為の際に細かい注意が必要になり、ストレスが溜まるし、感染拡大の一因のように思います。
この「U=U」というメッセージが、HIV感染者への偏見や誤解を解くことと同時に、HIV治療や感染拡大防止の観点から、感染がわかったらすぐ治療がスタートするように変わることを、HIV感染者本人としては切に願っています。
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