昨日、急性HIV感染症について簡単にまとめましたが、これは「HIV感染の初期症状」であって、「AIDSエイズ発症前の症状」ではありません。
ネットで検索すると、HIVとAIDSという言葉が混同して使われることが多く、そのほとんどが「HIV感染の初期症状(急性HIV感染症)」についてまとめてあることが多いようです。
ところが、急性HIV感染症はしばらくすると見られなくなり、ほとんど自覚症状が見られない「無症候期」になってしまってしまうため、HIV検査をしない限り、それと気づくことはありません。
先日、いきなりエイズでふれたように、最近、HIV感染に気づかないまま、エイズ発症と同時にHIV感染に気づく方が増えていることが問題になっています。
いきなりエイズ発症となった場合は、このブログでもまとめてきたように、深刻さの度合いがより大きくなってしまうので、できるだけ早めに医者にかかり、HIV感染であることを認識することが重要になってきます。
正直なところ、自覚症状だけでは専門医ですら判断が難しいので、そうならないためにも定期的な(少なくとも1年に1回以上)HIV検査が重要になってくることは言うまでも無いことだと思います。
今回は、エイズ発症前の症状について、簡単にまとめてみたいと思います。いきなりAIDSとなる前に1日でも早く気づくために。。。
—
最初に、ポイントを整理すると。。。
- STD(性感染症)にかかっている場合は、医者に相談するかHIV検査する。
- エイズ発症前に多い気になる症状がある場合は、医者に相談するかHIV検査する。
- エイズ発症の中でも「免疫力が高くても発症する(軽度の)症状」が見られる場合は、1日でも早く医者に相談する。
- その他の(重度の)エイズ発症となった場合は、1日でも早く専門の医療機関に相談する。
1から4になるに従って、深刻度合いが大きくなってしまいますので、何度も繰り返しますが、「早め早めに対処すること」が大切になってきます。
—
1)STD(性感染症)にかかっている場合
HIV感染者は、STD*にかかりやすく、STD患者は、HIVに感染しやすい傾向があるようです。
STDに感染していることがわかった場合は、念のためHIV検査を受けるようにしましょう!
*代表的なSTDとしては、梅毒、淋病・クラミジア感染症、赤痢アメーバ症・肝膿瘍、A型肝炎、B型肝炎、性器ヘルペス、尖圭コンジローマなどがあります。
2)エイズ発症前に多い気になる症状とは
- 発疹や水ぶくれを繰り返す
- 長く*続く原因不明の微熱
- 長期間*繰り返す下痢
- せきが長く*続く
- 息切れや息苦しさ
- 急激な体重減少
- ひどい寝汗をかく
- 体のだるさ(倦怠感)
*1ヶ月以上(目安)にわたって上記症状が見られる場合は、要注意です。
3)エイズ発症の中でも「免疫力が高くても発症する(軽度の)症状」とは
免疫力を測る指標として「CD4」の数字で判断しますが、その数値が比較的高い状態でも発症しやすい病気(日和見疾患*)があります。
そういった日和見疾患を、早期発見して適切に対処することが、重症化しないためにも重要になってきます。
*日和見疾患として、口腔・食道カンジダ症、ニューモシスチス(旧カリニ)肺炎、結核、カポジ肉腫の4つが代表的疾患と言われています。
4)その他の(重度の)エイズ発症となった場合
エイズ末期症状となってしまい、命にかかわる状況となってしまいます。そうならないためにも1日も早い「早期発見」が重要になります。
—
上記のうち、1と3については、ACC(国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)がお医者さん向けにまとめているので、参考までにご紹介しておきます(2016/09/04現在、残念ながらアクセスできないようです。)。
◆医療機関での早期発見(エイズ発症前に診断する)
コメント