ARTのルール(2015年4月現在)

以前にもART「antiretroviral therapy(抗レトロウイルス療法)」について「初めてのART~ARTのルール~」という記事で整理していましたが、元情報が更新されたので、あえて過去の記事はそのまま残して、新しく整理し直しておこうかと思います。

なお、「HIV治療薬」については、あえて情報を更新しておきました。

これまでも参照してきたHIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班の「抗HIV治療ガイドライン」及びACCによる「ACC患者ノート2015年版」と「診断と治療ハンドブック」をもとに、できるだけ簡単にわかりやすく整理してみましょう^^

ACCなどでは、これまでの副作用の報告、薬の飲みやすさ、海外(アメリカ)での評価などをもとに、初回治療として推奨される組み合わせを、具体的にまとめています。

【推奨治療薬】

・DRV+RTV(プリジスタ+ノービア)+TDF/FTC(ツルバダ)A-1
・RAL(アイセントレス)+TDF/FTC(ツルバダ)A-1
・STB(スタリビルド)A-1
・DTG(テビケイ)+TDF/FTC(ツルバダ)A-1
・TRI(トリーメク)A-1

・EFV(ストックリン)+TDF/FTC(ツルバダ)B-1
・EFV(ストックリン)+ABC/3TC(エプジコム)B-1
・CMP(コムプレラ)B-1
・ATV+RTV(レイアタッツ+ノービア)+TDF/FTC(ツルバダ)B-1
・ATV+RTV(レイアタッツ+ノービア)+ABC/3TC(エプジコム)B-1

・DRV+RTV(プリジスタ+ノービア)+ABC/3TC(エプジコム)B-2
・RAL(アイセントレス)+ABC/3TC(エプジコム)B-2

【代替治療薬】

・LPV/RTV(カレトラ)+TDF/FTC(ツルバダ)B-1
・LPV/RTV(カレトラ)+ABC/3TC(エプジコム)B-1

・RPV(エジュラント)+ABC/3TC(エプジコム)B-3

*妊婦の場合は、LPV/RTV(カレトラ)とAZT/3TC(コンビビル)の組み合わせを推奨、TDF/FTC(ツルバダ)、ABC/3TC(エプジコム)、ATV+RTV(レイアタッツ+ノービア)、LPV/RTV(カレトラ)についても比較的安全に使用できるとされています。

「A-1」という最も高い評価をされている5つの組み合わせのうち。。。

服薬回数が1日2回になってしまう「アイセントレス」を外して。。。

あえて食直後という条件がある「プリジスタ+ノービア」「スタリビルド」も除外すると。。。

  • DTG(テビケイ)+TDF/FTC(ツルバダ)
  • TRI(トリーメク)

のどちらかが、オススメと言えそうです。

もちろんこれらの組み合わせは、各人の状況によって選択は変わるものであって、全員に対して同様に当てはまることではないので注意してください!

ただ、「何でその組み合わせなのか?」担当医や薬剤師に確認して、服薬する本人が納得した上で、治療を進めていくことが大切になってくるのは言うまでもないことですよね。

また、これらの推奨や承認については、今後、評価が変わる可能性があるので、毎年更新状況を注目していた方が良さそうです。

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