「アバカビル」が「成人T細胞白血病(ATL)」に効果

ニュースを眺めていると、見慣れた単語(普通の方は見慣れていないと思うけどw)を見かけました。

「アバカビル」が「成人T細胞白血病(ATL)」に効果があると、京都大学が突き止めたという内容でした。

アバカビルというのは、ABCとも略され、ザイアジェン、エプジコム、トリーメクに含まれている成分になります(HIV治療薬(2014年4月現在)を参照してください。)。

また、成人T細胞白血病(ATL)というのは、HTLV-1感染を原因とする白血病、もしくは悪性リンパ腫のことを言うそうです。

興味深い記事なので、あえて産経新聞の記事を転記しておきます。

 エイズの治療薬として臨床で広く使用されている抗ウイルス薬「アバカビル」が「成人T細胞白血病(ATL)」と呼ばれる血液のがんの一種に効果があることを、京都大大学院医学研究科の高折晃史教授らのチームが明らかにした。医師主導の治験を行い、3~4年後にも実用化したいという。米科学誌の電子版に25日掲載される。

 既存の薬を別の病気の治療に活用する手法は「ドラッグ・リポジショニング」と呼ばれる。すでに臨床で使用されている薬剤は安全性や副作用が検証されているため、新しく薬剤を開発するよりも費用や期間を抑えることができるとして、注目されている。

 高折教授らは、ATLの細胞にアバカビルを投与。強力な抗がん作用があることを発見した。さらに詳しく調べたところ、ATLの細胞はDNAを修復する機能が損なわれており、アバカビルによって染色体の断裂が起こって細胞死に至ることを解明。正常な細胞は、DNA修復機能を持つため支障がないという。

 ATLはウイルスによって起こるがんで、既存の化学療法を施しても患者の約80%が3年以内に死亡するなど、予後が悪い。ウイルスの感染者は国内に約100万人いるとされ、年間800~1200人が新たに発症するという。今秋にも治験をスタートし、2年間で約20人の患者に投与する。高折教授は「ほかのがんにも効く可能性があり、研究を進めたい」と話している。

引用元:産経WEST(産経新聞 大阪本社版)

いきなり文頭の「エイズの治療薬」という表現は、語弊があるように感じますが^^;

マスコミ的には、分かりやすいという判断なんでしょうねw

「ドラッグ・リポジショニング」という単語は初めて耳にしましたが、既存の薬がHIVにも効果があると発見された日本人の方がいたと記憶していますし。。。期待したい動きの一つです。

というか、HTLV-1感染者が、「国内に約100万人いる」というのはビックリしました!

ちなみに、ウィキペディアによると。。。

感染者の分布は沖縄・鹿児島・宮崎・長崎に編在している。例えば東京都におけるHTLV-1の陽性率が0.15%と低率であるのに対して、全国で最も陽性率が高い鹿児島県では1.95%と、住民の約50人に一人がHTLV-1キャリアとなっている

日本ではHTLV-Iキャリアのうち、毎年600-700人程度がATL(病型は問わない)を発症している。キャリアの生涯を通しての発症危険率は2-6%である。HTLV-1の感染経路は授乳、性交、輸血があげられる。キャリアの母親による母乳保育が継続された場合、児の約20%がキャリア化するとされる。

ということですけど、なんだかHIVの説明と酷似していますよね。

いわゆる「風土病」の一つとも言える病気ですが。。。

このところ、最も研究が進んだ薬だと言われる「HIV治療薬」の研究が、他の病気にも効果があれば、一石二鳥ですし。。。

悲しい思いをする方が、1人でも減ることを願わずにはいられません。

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