「HIV感染者」の治療と社会的施策について~その1~

今回は、ちょっと真面目に「HIV感染者」について考えてみたいと思います。

みなさんは「HIV感染者」について、どういったイメージをお持ちでしょうか?

「不特定多数との危険なSEX(性的な関係)」によって一種の性病(それも不治の病)にかかってしまった社会的なモラルの欠如した人

といったイメージをお持ちの方が多いのかもしれません。

自分としては「相手は特定の一人だけ」だったとしても、その相手が不特定多数とのSEXをしていれば。。。あまりその「特定の一人だけ」には意味が無いかもしれません。

それも「今は一人」かもしれないけど、1年前も「一人」だったし、今は「別の一人」だったとしたら、もちろんそれも同様ですw

ちょっと前のHIV啓発のCM「元彼の。。。」「元彼女の。。。」なんて関係をたどっていけば。。。

誰しも結果として「不特定多数とのSEX」になってしまっているのは言うまでもないことですww

それが同性愛者だけに限らないことは、日本中いたるところにいわゆる「セックス産業」が存在していることでも明らかなことです。

「性(SEX)」というある意味で「タブー的な一面」が関係していることが「HIVという病気の偏見」を生んでしまっているように感じます。

少し前に、どこかの議員さんが、「HIV感染者なんて、危険なSEXをした本人の自己責任なのに、なんで税金を使って社会的な支援をする必要があるのか?」という発言をして議論を呼んでいたそうですが、多くの人がそう思っていることは事実だと思います。

確かに、本人の「自己責任」が問われることはもっともなことだけど、それだけではおさまらないのが「(性的な)病気」の問題点です。

さらに日本では、血液製剤による「HIV感染者」。。。いわゆる「薬害エイズ」の問題があって、同じ「HIV感染者」であっても、感染した原因が薬害なのかそうでないのかで「意味合いが違う」と考えている人も多く。。。実際、社会的な制度にも違いがあります。

例えば、分かりやすく「風邪という病気」を考えてみましょう。

風邪をひいて、具合が悪そうにゴホゴホ。。。咳き込んでいる人が、あなたの会社のすぐ隣の席にいたら、どう思いますか?

その人は、風邪を引いてしまうような愚かな行為(例えば、飲み会の帰りに酔っ払ってそのまま冬の寒い屋外で寝込んでしまったとか)をしてしまったことが風邪をひいた原因かもしれません。

そんなときに、風邪をひいた原因や本人の責任を追及したって、何の意味も無いことですよね^^;

それよりも、まずその風邪が自分にうつらないように考えるのではないでしょうか?

本人に、マスクをしてもらうように頼んだり。。。薬を飲んでいないようだったら、市販薬を買ったり病院に行くようにすすめたり。。。病気が治るまで会社をしばらく休んでもらうように促したり。。。

もちろん「自己防衛」として、自分がマスクをしたり、インフルエンザなどのワクチンが存在している病気なら事前にワクチンの接種を受けておくことも病気をうつされないことにつながります。

病気なら、「その対策」が必要かつ重要になることがわかります。

それでは「HIV」の場合は、どういう対策が必要でしょうか?

まず「本人」について。。。

きちんと検査をして、仮に感染していることが分かれば、専門病院にかかって治療を進めることが重要です。これは本人の体の問題だけでなく、周りに病気を拡散しないためにも大切なことです。

次に「病気に感染していない人」について。。。

まずは「病気にかからないように自己防衛」することが大切です。具体的にはSEXの際に「コンドーム」をつけたりつけてもらったりすることです。

このようにHIVに限らず「病気が拡散されない対策」を取ることが非常に重要になってくるし。。。仮に全く対策を取らなければ、「病気が蔓延」してパニックになり、社会的な混乱や経済的な損失につながることは容易に想像できることです。

単に本人の体の問題だけであれば、先述の議員さんが言われるように「自己責任」というヒトコトで終わらせてもいいのかもしれないけど。。。少し考えればすぐに間違いだと気付きますよねw

この発言が真っ先に社会的な問題や対策を考えるべき「議員さん」の発言だということにも驚かされますが^^;;

「感染した原因」によって区分することも全くナンセンスです。

もちろん「薬害エイズ」の問題は、国の責任を明確化するという目的があったとは思いますが。。。その底には「偏見」が見え隠れしています。

ただ、今の日本におけるHIV治療に関する社会的な制度が、ここまで拡充された理由の一つは、「薬害エイズ」の問題があったことも事実だろうと思います。

イイタイコトが多すぎて少し論点がアチコチしてしまいがちなので、ここで話を整理すると。。。

病気には「本人の体=治療」と「社会的な問題=感染拡大の防止」という2つの重要なポイントがあります。

HIVという病気の「治療」については、自分自身も現在進行形だし、その大切さはあえて指摘するまでもないことなので、ここでは省略します。

ということで「HIVという病気の社会的な問題=感染拡大の防止」について、考えてみたいと思います。

※少し長くなってしまったので、続きは(~その2~)でまとめています。

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