脂漏性皮膚炎とHIV感染との関連

今回は、「大人の脂漏性皮膚炎」シリーズの第19回として、「HIV感染との関連」についてです。

なお、これまでもご紹介してきた脂漏性皮膚炎 治療ガイド(スマホ版はコチラ)を参照させていただきました。

脂漏性皮膚炎にかかる要因の一つに免疫力の低下があげられ、乳幼児・高齢者が比較的多く発症する理由にもなっています。

それからHIV感染の初期症状として脂漏性皮膚炎が発症することが多いのも、要因は免疫力の低下です。

ストレスや睡眠不足、食生活の偏り、免疫力の低下などが要因となって、皮脂が余分に分泌されるようになり、それが人の皮膚に常在している好脂性のマラセチア真菌を増殖させるのです。

マラセチア真菌は皮脂を分解して遊離脂肪酸をつくり、それが皮膚を刺激して引き起こされるのが脂漏性皮膚炎です。

つまりこの病気は、生活習慣やストレス、皮脂の余分な分泌、マラセチア真菌などが、互いに連鎖しているとも言えます。

健康相談のQ&Aサイトで、ある人がこういう質問をしていました。

「知人が、最近になって頭にひどくフケが出るようになったので皮膚科を受診してみると、脂漏性皮膚炎だと診断された。HIV感染の初期症状でも同じ湿疹が出ると聞いた事があり心配だ。知人はHIVに感染しているのではないか?」といったような質問内容でした。

HIVに感染すると免疫力が低下するため、多様な病気にかかりやすくなります。例えば、風邪も引きやすくなります。だけど、風邪を引いているからといってHIVに感染しているというわけではありません。

同様に、脂漏性皮膚炎だからといってHIVに感染しているというものでもないのです。

確かにHIV感染について調べてみると、初期症状として全身倦怠感、下痢、発熱などとともに脂漏性皮膚炎があります。

多くのHIV感染者が同じ湿疹を発症していると言われているのも事実です。

心配な場合は、早めにHIV検査をする事をお勧めします。

脂漏性皮膚炎と思われる症状があるのであれば、できるだけ早めに皮膚科を受診することが大切で、もし最近1年間のうちにHIV検査を受けていない方は、念のためHIV検査も受けられることをオススメします。

その場合は、ウィンドウ期(ウィンドウピリオド)と言われる検査が正確でない期間に注意して、心当たりがある時から「3ヶ月」以上経過してから検査するようにしましょう。

もちろんHIV感染が疑われるのは、脂漏性皮膚炎だけではありません。

以前にも取り上げたように、STD(性感染症)等についても同様です。

もしすでにHIV感染者であるとわかっている方であれば、これらの病気にもかかりやすい状態になっていることを、あらためて認識すべきなんでしょうね。

コメント

  1. k より:

    現在検査の結果待ちの男です。
    不安で色々調べていたらこのページにたどりつきました。
    書かれているような症状が全て当てはまっています。
    ふけが多くなったこと、Tゾーンの皮膚のはがれ、口の中の違和感、あと飛行機に乗った後の耳鳴りのような症状も!
    不安行動から2週間でnat検査の結果待ちですが、もう間違いなく陽性だと思います。
    ここに書かせていただいてどうなるわけではないのですが…
    どうすればいいのでしょうか。

    • セカライ セカライ より:

      こんにちは。返信が遅くなって申し訳ないです。

      >不安行動から2週間でnat検査の結果待ちですが、もう間違いなく陽性だと…

      え~と、どうも不安感だけが増大してしまっているようですけど…

      まずは、落ち着いて下さい^^;

      HIV感染というのは、何か特別な症状が出るという病気ではなく、免疫力が衰えてしまうことで、様々な症状が見られるようになるのですが、その症状は、別に「HIVだけ」に見られる特有の症状というわけではありません。

      例えば、睡眠不足とか、ストレスとか、貴殿のように不安感が増大している状態でも、普通に見られますし、不安なことばかり考えていると、さらに状況が悪化してしまいます。

      いろいろ考えるのは、感染が(二次検査で)確定してからでも遅くないし、あわてて病院に行ったとしても、感染が確定してからでないと治療も始まりません。

      しばらくの間は、不安なことばかり考え込まずに、気持ちをリフレッシュして過ごすように心がけて下さい。

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