今回は、たぶん自分自身を含めてHIV感染者が一番興味があるけど、あえて考えないように努めている「死因」についてまとめてみようと思います。
まず、これまでまとめてきたHIV情報から類推すると。。。
HIV感染者は、免疫力が低下するのだから、一般の人の死因とされる
「あらゆる病気」に罹りやすく、さらに進行しやすい
と言えるんだろうなと思います。
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最初に、日本人全体の死因については、厚生労働省がまとめている資料が参考になると思います。
◆死因順位(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合【厚生労働省(平成21年のデータ)】
この資料によれば、全体の死因は、
1位ガン30.1%、2位心疾患15.8%、3位脳血管疾患10.7%、4位肺炎9.8%、5位老衰3.4%、6位不慮の事故3.3%、7位自殺2.7%、8位腎不全2.0%、9位肝疾患1.4%、10位慢性閉塞性肺疾患1.3%と続いています。
ちなみに、この資料によると、年代別に死因の傾向があるようで、以下のようになっています。
- 0~4歳:死因1位は「先天異常(先天奇形、変形および染色体異常)」
- 5~9歳:死因1位は「不慮の事故」
- 10~14歳:死因1位は「ガン」※そもそも死亡者数が少ない
- 15~39歳:死因1位は「自殺」
- 40~89歳:死因1位は「ガン」
- 90歳~99歳:死因1位は「心疾患」
- 100歳以降:死因1位は「老衰」
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一方、HIV感染者に特徴的な死因の傾向としては。。。
Lancet誌2014年7月19日号掲載の報告によれば。。。
「最近10年ほどの間に、HIV感染患者のAIDS関連疾患死、肝疾患死、心血管疾患死が実質的に減少したが、AIDS非関連腫瘍による死亡が増えている。」
と、総括されており。。。
「主な死因は、AIDS関連疾患が1,123例(29%)、AIDS非関連腫瘍が590例(15%)、肝疾患が515例(13%)、心血管疾患が436例(11%)であり、その他(侵襲性細菌感染症、自殺、薬物過剰摂取など)と不明が1,245例(32%)であった。」
とのことです。ただ、元になるデータは1999年から2011年のデータ(全世界)を解析しているそうなので、最新のデータや日本では、若干違う可能性はあると思います。
ネットをさっとナナメ読みしてみたけど、データがさらに古いものが多くて、あまり参考にすべきではないと感じました。
素人的には、2014年なら、2013年くらいのデータもあるんじゃないのかなという素朴な疑問が残るけど、データがきっちりしていると思われる日本の厚生労働省ですら、3年前のデータであることから、意外と時間がかかるものなんでしょうね。
強いて、参考になる資料をあげるとすれば、2013年に東京都立駒込病院のお医者さんがまとめた資料(※解析した元のデータは2004年から2011年のもの)ぐらいかなと思います。
◆HIV感染者の死因と対策(PDF版)
この資料の中で(HIV感染者が気をつけるべき)具体的な病名として。。。
○非AIDS指標悪性腫瘍
- 肛門管がん
- ポジキンリンパ腫
- 肝臓がん
- 肺がん
○心血管障害
- 冠動脈疾患
- 脳血管障害
○肝疾患
- C型肝炎
- B型肝炎
があげられ、それらの予防と対策(総括)として。。。
○早めにART(HIV治療薬の服用)を開始して、HIV自体による炎症をおさえ、CD4を高値に保つこと
○(一般の人と同様に)生活習慣病の対策を適切に行うこと
の2点が重要だと指摘されています。
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こうしてみると、いわゆる「エイズ(23疾患)」で死亡するのは約3割(ただし減少傾向)、続いて「ガン(増加傾向)」「肝疾患」「心疾患」の順になっており、一般の人の死因と比較すると、肝疾患の割合が高めであると言えそうですね。
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