紫外線

今回は、「大人の脂漏性皮膚炎」シリーズの第10回として、「紫外線」についてです。

なお、これまでもご紹介してきた脂漏性皮膚炎 治療ガイド(スマホ版はコチラ)を参照させていただきました。

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)にかかる要因のひとつに「紫外線」があります。

以下、どのようにして紫外線が影響していくかについて説明します。

皮脂は、皮膚を守るバリアー(防御)としての役目を担っていますが、主に2種類の防御の役割があります。

1つは皮膚内に保たれている水分を外に出して皮膚を乾燥させないこと、もう1つは「外の刺激*」から皮膚を守ることです。

*外の刺激とは、紫外線や表皮上に住んでいる菌の増殖などになります。

またこの2つは、脂漏性皮膚炎の原因とも言われています。

皮脂は私達の身体に必要なものなのですが、何らかの要因、あるいは複合した要因によって皮脂が余分に分泌され出すと皮脂の中のスクワレンを紫外線が酸化して過酸化脂肪ができ、健康な肌の細胞膜を傷つけるなどしてトラブルを引き起こします。

脂漏性皮膚炎もまたそのトラブルの1つなのです。

紫外線が、皮脂分泌の多い部分の額や顔、頭部にあたって、皮膚表面の脂肪が酸化して過酸化脂肪ができてしまうからです。

皮脂が正常な量で分泌されていれば、紫外線から皮膚を守り、紫外線の影響で脂漏性皮膚炎を引き起こすまでには至りませんが、ストレスや睡眠不足・糖分やアルコールの取り過ぎ・偏った食事も含めた不規則な生活などの多様な事が要因となって、皮脂の余分な分泌が起こります。

皮脂の余分な分泌は、皮脂が大好物のマラセチア真菌という皮膚上の常在菌を増殖させてしまいます。

マラセチア真菌が皮脂を分解して出した脂肪酸が皮膚を刺激して脂漏性皮膚炎となってしまうわけですが、これに紫外線もプラスして、余分な皮脂を分解する事で皮膚を刺激してこの湿疹を引き起こすということになります。

「紫外線」というと、まずは「皮膚がん」の原因ということが叫ばれていますが、脂漏性皮膚炎の原因の一つでもあるんですね!

ハリウッドの人気イケメン俳優「ヒュー・ジャックマン」も皮膚がん(基底細胞がん)の手術を2回受けていたと告白しているそうですが。。。

昔は「健康的な体の象徴」だった「日焼けした肌」が、最近は逆に「病気のリスクを高めている」ことが知られるようになって、以前ほど好まれなくなっていますよね。

HIV感染者も同様に、日焼け(≒紫外線)に対してこれまで以上に気を配る必要がありそうです。

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