とある殺人事件に思うこと~アルコールと薬~

先日、とあるサイトの「ニュース」記事を眺めていて、気になるニュースを見かけました。

参考までに、全文をご紹介しておこうと思います。

 検察側は、「罰ゲームとして、薬入りのウォッカを飲ませた」と指摘しました。抗うつ剤などを混ぜた酒を飲ませ、知人男性を死亡させた罪に問われた男2人の初公判が1月17日、札幌地方裁判所で開かれ、2人は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

起訴状などによりますと、札幌市白石区の無職、湊真誉被告(35)と、板井輝智雄被告(31)は、2015年9月、札幌市白石区の自宅アパートで、当時21歳の知人男性に、抗うつ剤や睡眠導入剤などを混ぜたウォッカを飲ませ、薬物中毒で死亡させた、傷害致死の罪に問われています。

17日、札幌地裁で開かれた裁判員裁判の初公判で、被告2人は、「間違いありません」と起訴内容を認めました。

検察側は、「被告は、被害男性の誕生日パーティーを企画。しかし、男性が参加を断った罰として、アルコール度数96%のウォッカに抗うつ剤などを混ぜ、男性に知らせないまま飲ませた」などと指摘しました。

記者:「検察側は、冒頭陳述で、罰ゲームで大量の薬物を96度のアルコールに混ぜ、人に飲ませる行為の危険性を指摘しました。一方、弁護側は、被告人は、人に飲ませても長時間眠る程度と考えていた、と主張しています」

アルコール医学の専門家は、大量の薬を酒に混ぜて飲むと、最悪の場合、死に至ることもあると指摘します。

札幌太田病院 太田健介院長:「抗不安薬や睡眠薬、抗うつ剤などの薬と一緒に酒を飲むと、中枢神経の抑制作用が強く出て、こん睡状態に陥る可能性がある」

(以下、篠原巨樹キャスター解説)

今回の裁判では、大量の薬物を、アルコール度数96%というお酒に混ぜて、男性を死亡させた行為そのものに、双方争いはありません。

ただ量刑について、主張が分かれています。

検察側:罰ゲームで飲ませた。1人が死亡するという結果が重大だと指摘

弁護側:長く眠る程度だと思っていて、薬も致死量だという認識がなかった。反省していることから、被告側に汲むべき事情もあるとし、今後、被告人質問などで明らかにしていきたいと主張しました。

今回の事案、言語道断ですが、なぜ危険なのか、専門家に聞きました。

アルコール、薬、どちらも体内に入って分解する臓器は同じです。肝臓です。

強い酒が体内に入ると、肝臓はそのアルコールを分解しようとするため、薬の分解が追いつかなくなり、薬の成分が効きすぎて、多臓器不全に陥り、体に異常をきたす恐れがあるわけです。

北海道でもインフルエンザやノロウイルスなどが猛威をふるっていますが、札幌太田病院の太田院長は、「薬を飲んだら、酒は飲まない」ように、注意を促しています。

薬をお酒で飲む人はいないと思いますが、市販薬であっても同じです。

裁判は18日、被告人質問が行われる予定です。被告の口からどんな言葉が語られるのか、注目です。

引用元:罰ゲーム アルコール96%ウォッカに薬混ぜ死なす 初公判「眠る程度と…」 札幌地裁<北海道文化放送 1/17(火) 19:02配信>

アルコールに薬を混ぜて、知人を死に追いやった「殺人事件」のようですが、アルコール(酒)も薬も「肝臓」が分解しており、同時に摂取してしまうと、アルコールの分解で肝臓の機能がいっぱいいっぱいになって、薬の分解が追いつかなくなる状況に陥ることで、薬が効きすぎて、場合によっては「命の危険」があるということのようです。

もちろん、「酒と薬」を一緒に飲むことは「良くない」ということは知っていましたが、どうしてダメなのか、深く考えたことが無かったように思います。

そう言えば、以前、私の拠点病院の薬剤師さんに、宴会と服薬時間が重なった場合の対処法を質問したことがあったのですが。。。

事前に分かっているのであれば、宴会と重ならないように服薬時間をずらした方がいいけど、どうしても重なってしまった場合は、薬を飲まないよりは飲んだ方が良いけど、最低でも「お酒で薬を飲まないように!」と注意されたことがありました。

ちょっとぐらい大丈夫かなとか、勝手に軽く考えていたけど、やはり「酒と薬の同時服用は避けた方がいい」ということを、このニュースで再認識させられたような気がします。

場合によっては、お酒を飲むのも、できるだけ控えて、ノンアルコール飲料で「誤魔化す」ことも大切になってくるのかもしれませんね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました