今回は、「大人の脂漏性皮膚炎」シリーズの第9回として、「マラセチア真菌」についてです。
なお、これまでもご紹介してきた脂漏性皮膚炎 治療ガイド(スマホ版はコチラ)を参照させていただきました。
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脂漏性皮膚炎とは読んで字の如く、自分の身体から脂分が漏れ出てそれが皮膚を刺激して湿疹となる皮膚病です。
どうして皮脂が漏れ出るほどに出てしまうのかというと、余分皮脂分泌の原因は、人によりいろいろ、つまり多過ぎて特定出来ないと言うのが「脂漏性皮膚炎の原因ははっきりとはわからない」という状況になっています。
また、余分に分泌された皮脂は皮膚を刺激して湿疹となるという段階に、最近は真菌(カビ)の一種であるマラセチア真菌が関わっているという説が有力となり、治療も外用抗真菌薬を塗布する事で症状の回復をみる事が可能となっています。
マラセチア真菌は、脂漏性皮膚炎の病変部を調べると見つかる事が多く、皮脂腺の出口や毛穴付近をスミカとしています。
このように聞くと、マラセチア真菌とは強力で怖ろしい菌と思うかもしれませんが、どなたの皮膚にもいる皮膚常在菌の一種です。
常在菌はそれこそ怖ろしい病原菌の侵入を阻止するなど、菌数のバランスさえ崩れなければ有用な細菌としてヒトと共生関係にあるわけですが、過労や過食、睡眠不足、ストレスなどが原因となって皮脂が余分に分泌されると、脂好性のマラセチア真菌が増殖してしまいます。
その結果、脂漏性皮膚炎を引き起こしたり、フケが増えたりするのです。
マラセチア真菌を増殖させ無いように、皮脂の余分な分泌を抑えるためには、ストレス解消、疲れすぎないこと、睡眠時間の確保、食事内容の見直し、枕カバーなどのこまめな洗濯などで適応します。
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体の抵抗力(免疫力)が低下して、体の中の「バランス」が崩れることで、特に害にならないはずのか弱い細菌(カビ)が、体に害を及ぼすようになる。。。
HIVやエイズの知識を整理していると、いくどとなく出てくる「決まり文句」ですよねw
脂漏性皮膚炎の対策は、HIV感染者と共通と考えてよさそうです。
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