本ブログでも紹介してきたトリーメクが、4/10付けで販売開始になったそうです。
これで1日1回1錠のHIV治療薬は(私の認識では)3つになったことになります。
ちなみに他の2つは、スタリビルド(日本たばこ産業・鳥居薬品)とコムプレラ(ヤンセンファーマ)です。
自分自身に関係があるのは、トリーメクだけなので、他の2つの薬については、正直、あまり関心がないのですが。。。
せっかくなので、ちょっと整理しておきましょう。
HIV治療薬は、成分名と製品名が同一ではないし、現状では1つの成分で対処できない(カクテル療法が必須)ので、最初に、その辺を理解しないと頭の中が混乱してしまいます^^;
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まず、「HIV治療薬(2014年4月現在)」を見てみましょう。
これによると、最初に販売されたスタリビルドは、「エルビテグラビル/コビシスタット/テノホビル/エムトリシタビン配合剤」です。
これだけ見ても、よく分からないと思うけど、実は、このうち「テノホビル/エムトリシタビン」というのは、ツルバダに含まれる成分と同一なので、スタリビルドというのは「エルビテグラビル/コビシスタット(単体では未発売)」とツルバダが配合された薬ということになります。
さらに、3/2付けのプレスリリースによると、テノホビルよりも少量で副作用も少ないと言われる成分「tenofovir alafenamide(TAF)」を準備中のようで、将来的にはツルバダやスタリビルドに含まれているテノホビルの成分がTAFに置き換わることが予定されているようです。それによって、効能は同様なのに、より副作用が少なく錠剤の大きさが小さくなることが予想されます。これは期待したい動きですね。
もう一つ、コムプレラですが、「リルピビリン/テノホビル/エムトリシタビン」の配合剤のようですから、ツルバダにエジュラントが配合されている薬と言えます。
最後に、トリーメクですが、本ブログでもまとめてきたように、「テビケイ」と「エプジコム」が一緒になった薬です。
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このように、HIV治療薬は、「1日1回1錠」化がトレンドになっているのですが、すでに治療が始まっている者としては、微妙に感じる部分もあります。
それは、「副作用」の問題と「飲み込みやすさ」の問題です。
もちろん1錠化することによって、服薬忘れを防止したり、薬価を下げる効果*、さらに言えば特定の製薬会社への収益貢献といった意味合いがあるんだろうと思うけど。。。
まだまだ副作用を完全に無視できる状態には無い中で、1錠化することで、かえって原因が分かりづらくなるのではないかという懸念が残ります。
また、特にスタリビルドの場合は、単体未発売の成分を含んでいることも「疑問」です。
ある薬の一部の成分と相性が悪かったら、その部分だけを他の薬に取り替えるといった対応が出来ないからです。
HIV治療薬は「カクテル療法」が必須の状態なので、その点は製薬会社の方には、対応していただきたいと思います。
もう一つ、飲み込みやすさですが。。。現状の錠剤でも「巨大」で飲み込みにくいのに、さらに巨大になって飲み込みやすくなることは考えづらいですよね^^;
強いて言えば、錠剤の毒々しい色合いをやさしい色合いにしたり、飲み込みやすい形状を工夫することは考えられなくも無いですが。
さらに、HIV治療薬だけしか服用していない人にとってメリットは大きいのかもしれないけど、その他の薬も服用していると、1錠化のメリットは期待しすぎない方がいいというのが私の実感です。
また、前回も「トリーメクの販売製造承認」の中で指摘した点ですが、異なる製薬会社間での「1錠化」や、より服薬間隔の長い新薬、さらに言えば、同じ成分でも成分量が少ない(飲み込みやすい)新薬などを期待したいです。
その他、全く新しい新薬やCD4を上げる効果が期待されている薬などの研究も進んでいるようなので、少しでも副作用が少なく、一歩でも半歩でも「完治薬」に近づくことを願ってやみません。
*薬価の参考数字
テビケイ(3262.6)+エプジコム(3981.1)=7243.7>トリーメク(7000.3)
スタリビルド(6942.1)、コムプレラ(5817.8)、ツルバダ(3863.6)
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