育毛剤とステロイド剤

今回は、「大人の脂漏性皮膚炎」シリーズの第3回として、「育毛剤とステロイド剤」についてです。

脂漏性皮膚炎で頭皮の状況が悪くなると、毛が抜けることもあるようです。

あまり頭皮や頭髪に自信がない自分には、ちょっと気がかりな事実だったりします。。。

なお、これまでもご紹介してきた脂漏性皮膚炎 治療ガイド(スマホ版はコチラ)を参照させていただきました。

脂漏性皮膚炎によって細く弱そうな毛・抜け毛に悩む人が育毛剤に助けを求める状況は理解できるところですが、結論からいって脂漏性皮膚炎を治してからでなければ、育毛剤は使わないほうがいいです。

と言うのは、健康ではない状況の頭皮に育毛剤を使っても、育毛剤のアルコール成分が頭皮を逆に荒らしてしまうからです。

プラスして、脂漏性皮膚炎によって頭皮に炎症が起こっている状況です。

頭皮に炎症が起こっているという事は、その患部に血が集まって痒くなりがちです。

その痒みのためにも、血液を患部に集中しないようにするステロイド剤=つまり炎症を抑えてかゆみを抑えるためのステロイド剤が処方されている患者さんが多いのです。

育毛剤には、成分を効果的に頭皮に吸入させていくために、血管拡張作用がある成分が配合されているものがほとんどです。

血液が患部に集中しないように働くステロイド剤と、血管拡張をする育毛剤とでは、働きが相反しているわけですから、お互いの働きを相殺しあって、どちらの効果も出ない可能性があるのです。

ステロイド剤の長期活用は免疫力下落などの心配もあるそうですが、医師があえてステロイド剤を処方するのは、脂漏性皮膚炎を長引かせずにできるだけ早い完治をめざすという完治が最優先の治療の考え方によるものです。

その意味からも、まずは脂漏性皮膚炎を治療して頭皮を健康にしてから、育毛剤で発毛や育毛を目指すという姿勢がポイントとなるのです。

育毛剤とステロイド剤については、それぞれの「役割」を考えて、決して(頭皮に)同時には使わないことが重要と言えそうですね。

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