投薬の推奨タイミング

HIV治療の開始については、本ブログでも取り上げてきたように。。。

以前は(AIDSを発症していなければ)CD4が200未満になってから。。。という何とものんびりした基準(あえて治療を遅らせる傾向)でしたが。。。

最近は、CD4が350とか500とか。。。CD4が高くてもできるだけ早くといった世界的なトレンドがあるようです。

その理由は、HIV治療薬が飲みやすく副作用が少なくなってきていること、治療をスタートした時のCD4が高いほど、その後の改善状況が良好なこと、さらには、二次感染(他人へ感染させるリスク)の防止にも有効であることが分かってきたことが大きな理由と言えそうです。

今回は、投薬の推奨タイミングについて、HIV感染症治療研究会やHIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班の資料などを参考にまとめておこうと思います。

◆A-1(強く推奨)

・AIDSを発症している(HIV関連認知症を含む、AIDS治療を優先させる場合もあり)
・CD4が350未満
・妊婦

◆A-2

・HIV関連腎症患者
・CD4が350以上500未満(状況によってAorB)

◆A-3

・B型肝炎(HBV)の治療を開始する患者

◆B-2(中程度の推奨)

・CD4が350以上500未満(状況によってAorB)

◆B-3

・CD4が500以上(一部の医療費助成を受けられない可能性があるので注意)
・心血管疾患のリスクの高い患者

◆C-3(任意)

・C型肝炎(HCV)合併患者


1>臨床的エンドポイントまたは妥当性確認済みの検査評価項目を設定した無作為臨床試験が1件以上
2>長期的な臨床的エンドポイントを設定した、適切にデザインされた非作為的臨床試験または観察コホート研究が1件以上
3>専門家の見解

◆その他(状況によっては治療開始が望ましい場合)

・急速なCD4数減少(ex.1年に100以上減少)
・高ウイルス量(ex.HIV-RNA 10万コピー/mL超)
・急性HIV感染症、HIV感染初期(感染6ヶ月以内)
・日和見感染症を発症している
・性的パートナーへの二次感染リスクを有する
・50歳を超える

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