前回の記事「エポケー~エイズノイローゼの方への処方箋~」では、あえて少々厳しい言葉でまとめましたが。。。
日本各地では、HIV感染への不安を抱いている方からの電話相談に応対している「電話相談員」の方も多くいらっしゃいます。
ボランティアで活動している方、自分自身もHIV感染者やエイズ患者の方も少なくないかもしれません。
そういった相談に応じている方は、相談してきている方の状況によって、より分かりやすく丁寧かつ慎重に言葉も選ばなきゃいけないので。。。
相当な気苦労があるんだろうなと想像します。
ふと、そんな活動をされている方の言葉を見かけました。
その内容は、「HIVに感染しているか不安でたまりません!どうしたらいいの?」という相談への回答という形なのですが。。。
HIV感染者である自分が読んでも、「それ以上でもそれ以下でも無い」とてもストレートなメッセージが込められているなと感じました。
ここに、あえて、そのままご紹介しておきたいと思います。
毎週火曜日の夜、エイズ電話相談窓口で全国からの声に耳を傾けています。実際にお寄せいただく相談内容の9割を占めるのが感染不安です。
「この間のあの行為大丈夫だったかな…?」「なんだかそれ以来体調が悪い…」「ネットで調べるとHIVの初期症状にあてはまってる!」「夜もなかなか眠れないし、ずっとスマホで調べまくってしまう…やっぱり俺、HIVに感染しているんだ!」
ちょ、ちょっと待って!
インターネットの海は広大で無限です。そして不思議なことにマイナスな気持ちで検索していると、よりマイナスになる言葉しか目に入らなくなってしまうんです。不安な気持ちが雪だるま式に大きく膨らんだり、ゴールのない袋小路に迷い込んでしまうことも。「あっちにはああ書いてあったけど、こっちにはこう書いてあった。もうわからん。」という声も聴きます。
エイズノイローゼ一歩手前の人には、一回パソコンやスマホから意識的に離れてみるのはどう?
とお話しすることもあります。(勿論、実体験記や最新の医療情報も検索できるので向き合い方次第ですが)
また、電話をかけていただく多くの人は、自分の性行為が感染リスクのある行為(あった行為)だということを自覚しています。そして、自分が本当に感染しているかどうかを調べるには、HIV検査を受けるしかないことも知っているんですよね。
それでも怖くてしょうがない、宙ぶらりんな気持ちのままでいてもしんどいし、はっきりと結果と向き合うのもしんどい。誰かに大丈夫だよと言ってほしい。
相談員としては、少しでもリスクのある行為があった場合は、無責任に大丈夫だよとは言えませんが、はっきりと言えることもあります。
検査結果が「陰性」の場合は安心できますし、「陽性」の場合でも、今後の自分の健康のために今分かって良かったんだと、後から絶対思えるからと。
人間、不安を全てコントロールすることは難しい、でも、一緒に和らげることは出来るという思いで、日々、受話器をとっています。
引用元:How’s Life? -sapporo gay life & healthcare magazine-
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「How’s Life?(「調子はどう?」という意味)」というのは、ゲイ向けの小冊子として「レッドリボンさっぽろ」さんが作成されているそうなので、同性愛やゲイに対して快く思っていない方には抵抗があるかもしれないけど。。。
HIVの感染予防やHIV+(陽性者)の手記など、興味深い内容になっていると思います。ネットでも公開してくれていますので、よかったら読んでみてくださいね☆
◆「How’s Life? -sapporo gay life & healthcare magazine-」(レッドリボンさっぽろ)
PS
本記事に関しては「レッドリボンさっぽろ」さんの事前了承を得ております。
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