これまで、HIVやエイズに関する情報を、私なりに整理してきましたが。。。
それでも根本的によく分からないことが少なくありません。
いくつかの素朴な疑問について、素人なりに「自己解決」してみたいと思います。
本ブログは、私の記事をリツイートされた高山医師など、医療関係者の方もご覧頂いているようなので、何か間違っている点があれば、ご指摘いだければと思います。
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まず、「HIVは1個でも感染するんじゃないのか?」という点です。
HIVというか、エイズという病気は完治する治療薬が無い病気なのだから、1個でも感染するんじゃないかという気もするのですが?
ただ、もしそうであれば、感染確率は100%ということになります。
でも、いろんな情報を総合してみると、そのように書かれている情報は存在しません。
それどころか、血液による感染(感染者の血液をそのまま輸血する場合)ですら感染確率は100%ではないということのようですが。。。?
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この疑問については、どうやら人間の免疫機能は、ある程度の数までのHIVに対しては有効に機能していると考えられるようです。
ただ一定の数を超えてしまうと、免疫機能だけでは対処しきれないので、HIVに感染した(=HIVが増殖する)状態になってしまいます。
そのため、HIVに感染するためには、「ある程度の数以上のHIVが体内に入ってくる」ことが前提となり、具体的には、「精液」「膣分泌液」「母乳」「血液」以外には感染するほどの量が含まれていないと考えて問題ないようです。
「ある程度」「一定」という表現になるのは、免疫機能は個人の状態によって異なるので、免疫力が高い方の場合はそのハードルも高いけど、免疫力が低い方(高齢の方や病気等によって体力が衰えている方など)の場合は、ハードルが低い(=感染しやすい)と言えそうです。
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次に、そもそも感染確率って、どのように算出されるモノなんでしょう?
感染確率については、以前も「HIVの感染確率」でまとめましたが。。。
まさか「人体実験」ということも無いでしょうけど^^;
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これについては、猿などの動物を使った実験の他、治療薬を開発する前の「治験」では、広くHIV感染が広がっているアフリカなどで試していることが多いようですので。。。
そういった実験や治験、さらには病院で治療している人の実際のデータをもとに、類推していると考えられます。
以前から本ブログで指摘していることですが。。。
「HIV感染者」と、ひとまとめにしても、その程度はかなりの幅があります。
HIVに感染しているけどエイズを発症していない人(感染者)と、エイズを発症している人(患者)とでは、全く違うと言ってもいいくらい深刻さが異なります。
さらにHIV感染者を、あえて分類すると以下のようになります。
- HIV+なのに、感染初期(感染して約3ヶ月未満)でHIV検査をしても感染しているか分からない人
- HIV+なのに、HIV検査をしていないため、HIV+だと分かっていない人
- HIV+だが、通院し始めたばかりでCD4の数字もまだ分かっていない人(未投薬)
- HIV+だが、CD4の数字が高い(状態が良い)ので、服薬していない人
- HIV+だが、CD4の数字が低い(状態が悪い)ので、服薬している人
- エイズを発症したが、その病気自体はおさまって、服薬を続けている人
- エイズを発症して、その病気を治療している人
ここでは、あえて感染確率に着目すると、HIVの数が多いほど感染しやすいので、HIVの数がどうなのかという点が重要になってきます。
文字だけだとイメージしづらいと思うので、九州医療センターの「エイズとはどんな病気でどんな経過をたどるんですか?」の中のグラフを参照して下さい。
このグラフも、ちょっとわかりづらいけど、最初の大きな山を超えて落ち着いたあたりが「感染して約3ヶ月」となります。
このことから、最も感染確率が高いのは、HIV検査しても感染していると分からない感染初期(感染して3ヶ月未満)の方ということになります。
次に感染確率が高いのは、服薬していない人(そもそもHIV検査をしていない人を含む)です。
HIVの感染確率だけを考えれば*、エイズを発症している(発症していた)かどうかは重要なことではありません。
また、HIV感染拡大を防ぐという点を考えれば、感染したかもしれないリスキーな行為をしてから約3ヶ月の間に、続けてリスキーな行為をしていることが最も危ないと言えそうです。
次に重要なのは、きちんとHIV検査を受けて、HIV+なのであれば、早めに服薬すると言うことです。
ちょっと長くなったので、続きは次回にします。。。
*ここでは感染確率だけを取り上げて、感染者の身体の状態(CD4の数字)などは、あえて考慮していません。
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