投薬のリスク

投薬(HIVの治療)にあたって、「いいことばかり」であれば迷わず取り組むことになるのですが。。。

そうでもないので。。。特にCD4の数値が高い方にとっては「悩むところ」だと思います。

今回は、投薬のリスクについて、北海道HIV/AIDS情報(北海道大学病院HIV感染症対策委員会)HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班のサイトを参考にまとめてみたいと思います。

◆治療を早期に開始した場合のメリット(利点)

・HIV(ウイルス)が増えてくるのを早いうちに抑えることが出来る
・免疫力を保つことが出来る(AIDSエイズ指標疾患の発症を減らせる)
・他人へHIVをうつす危険が低くなる(二次感染のリスクを減少させられる)
・HIV感染自体で生じてしまう合併症を減らすことが出来る(ex.心筋梗塞・脳梗塞・骨粗鬆症・腎障害など)
・CD4陽性リンパ球数が高くても生じる日和見疾患やHIV関連疾患の発症を抑制できる可能性がある(ex.帯状疱疹、結核やHIV関連悪性リンパ腫など)
・以前よりも飲みやすく、効果も安定した薬剤の組み合わせが存在する
・CD4数が低下してから治療を開始する場合よりも、十分なCD4数の増加が期待でき、免疫機能の維持・改善が図れる
・体内でのHIV増殖を放置しておくと、総死亡率が上昇するという報告がある

◆治療を早期に開始した場合のデメリット(欠点)

・薬により副作用が現れる可能性がある
・治療が不十分な場合、薬剤耐性ウイルスが出現する可能性が非常に高い
・他人へ耐性ウイルスをうつす危険性がある(治療が不十分な場合)
・将来使える治療選択肢が狭まる可能性がある(薬剤耐性ができることや、副作用などにより)
・現在使用できる治療法がいつまで有効かわかっていない(長期服用した場合の毒性が不明)
・内服によってストレスを感じてしまう可能性がある
・生涯にわたる服薬での飲み疲れが生じる可能性がある

主なデメリットとしては、副作用、薬剤耐性(飲み忘れによる)といったことでしょうか。

副作用についてはもちろん心配だけど、それ以上の「本作用」も期待できることを考慮すれば、そのリスクは相殺できると言えるかもしれませんね。

また、比較的CD4が低い方(いきなりエイズを発症させたような方)に多いと言われているのですが、治療によって急に免疫機能が改善することに伴うトラブル「免疫再構築症候群」の可能性についても頭の片隅においておくべきかもしれません。

個人的には、HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班のサイトにある「抗HIV治療ガイドライン」に記載してある。。。

「治療開始前のCD4が350未満と350以上では明確な差異があり、200以上350未満で治療を開始した症例では、正常域まで回復することはできない」

「CD4が350(500)以下になるまで治療を遅らせた場合と、350超500以下(500超)で治療を開始した場合を比較すると、前者の方が死亡率が高い」

etc

といったデータが気になりました。

CD4が500超の場合は明確なデータがないとのことで世界的な研究者の間で結論は出ていないようですが。。。

自分のような素人が考えても、治療を開始した時のCD4が高いほど、治療開始後の改善が期待できるということは理解できる考え方のように思います。

また、もうひとつ重要なポイントは「治療による二次感染の防止」という点ですよね。

以前も「HIVの感染確率」で取り上げたように、HIVの数(ウイルス量)が多いほど他人に感染させる確率が高いことから、治療することでHIVの数(ウイルス量)を減少させることによって感染拡大を抑制することにもつながることが期待できます。

一方で、ついうっかり薬を飲み忘れたりして治療に失敗してしまうと「薬剤耐性HIV(ウイルス)」が発生してしまうリスクについても理解しておくことが重要です。

治療対象者にとって不幸なだけでなく、それを誰かにうつしてしまうとうつされた人にとっても同様のリスク(治療方法の選択肢が狭まること)を背負わせることになってしまいます。

恐ろしいことに薬剤耐性を持ったHIV(ウイルス)の割合は10%前後と言われているようですね。

ついうっかり飲み忘れるという「ちょっとしたケアレスミス」が重要な難題に変わる可能性があることについて、投薬(HIV治療)にあたって、しっかり理解して「納得すること」がHIV治療を開始する上で、最も重要なポイントと言えそうです。

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