日本とアメリカの場合のAIDSの定義をまとめてきましたが、日本や欧米のように先進的な医療を受けられるところはいいけど、まるで野戦病院のようなアフリカやアジア奥地の医療施設で、そこまで丁寧な対応がされているかは疑問です。
そういった場合、具体的にはCD4がわからなくても状況を把握するために、世界保健機関(World Health Organization, WHO)の成人病期分類(WHO Clinical Staging of HIV/AIDS for Adults and Adolescents)が活用されています。
日本、アメリカ(CDC)、世界(WHO)と3つの分類をあえて詳細に取り上げてきましたが。。。HIV感染者にとって、これらの分類は「自分自身の状況」を客観的に判断する材料として重要な指標だと思います。
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◆急性HIV感染症
- 無症候
- 急性レトロウイルス症候群
◆ステージ1: Asymptomatic
- 無症候
- 持続性全身性リンパ節腫大 Persistent Generalized Lymphadenopathy
◆ステージ2: Mild symptoms
- 原因不明の中等度(<10%)の体重減少
- 繰り返す呼吸器疾患(副鼻腔炎・扁桃炎・中耳炎・咽頭炎)
- 帯状疱疹
- 口角炎 Angular cheilitis
- 繰り返す口腔内潰瘍
- 掻痒性丘疹 Papular pruritic eruptions
- 脂漏性湿疹 Seborrheic dermatitis
- 爪真菌症
◆ステージ3: Advanced Symptoms
- 原因不明の高度(>10%)の体重減少
- 原因不明の慢性下痢症(>1ヶ月)
- 原因不明の発熱(>37.6℃、>1ヶ月)
- 持続性の口腔内カンジダ症
- 口腔白板症
- 肺結核
- 重症細菌感染症(肺炎、膿胸、化膿性筋炎、骨関節感染症、髄膜炎、菌血症)
- 急性壊死性潰瘍性口内炎、歯肉炎、歯周炎
- 原因不明の貧血(ヘモグロビン <8g/dL)、好中球減少(<500/μL)、血小板減少(<50,000/μL)
◆ステージ4: Severe Symptoms
- 消耗症候群 HIV wasting syndrome(CDCの定義に準じる)
- ニューモシスチス(旧カリニ)肺炎
- 繰り返す重症細菌性肺炎
- 慢性単純ヘルペス感染症(1ヶ月以上続く口唇・陰部・肛門直腸病変、あるいは内臓病変)
- 食道あるいは気管/気管支/肺カンジダ症
- 肺外結核
- カポジ肉腫
- サイトメガロウイルス臓器病変(網膜炎あるいは他臓器)
- トキソプラズマ脳症
- HIV脳症
- 肺外クリプトコッカス症(髄膜炎を含む)
- 播種性非結核性抗酸菌症
- 進行性多巣性白質脳症
- 下痢を伴う慢性クリプトスポリジウム症
- 慢性イソスポラ症
- 播種性真菌症(ヒストプラズマ症、コクシジオイデス症)
- 繰り返す非チフス性サルモネラ菌血症
- リンパ腫(中枢性あるいはB細胞性非Hodgkinリンパ腫)あるいはその他のHIV関連固形腫瘍
- 浸潤性子宮頚癌
- 非典型的な播種性リーシュマニア症
- 症候性HIV関連神経障害
- 症候性HIV関連腎症・心筋症
- その他の地域性にみられる疾患
・アメリカ:アメリカトリパノソーマ症の再活性化(髄膜脳炎・心筋炎)
・アジア:播種性ペニシリウム症
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